この二つの違いはよく議論になります。英語の「only」に当たる言葉を「だけ」と覚えてしまうと、「しか」を使うべきところでも「だけ」を使うようになってしまいます。また、「しか」は述語を否定にしなければならず、その分面倒なので「だけ」のほうが使いやすいということもあるでしょう。
基本的には、「だけ」は肯定的、「しか」は否定的、と言う違いがあります。
(まだ)半分だけある。(だから大丈夫だ)
(もう)半分しかない。(だからだめだ)
つまり、「だけ」は「ある」ことを述べ、「しか」は「ない」ことを述べます。
また、「だけ」は肯定文にも否定文にも使えます。
彼女だけ来た。
彼女だけこなかった。(他の人はみんな来た)
彼女しかこなかった。
「だけ+否定」の表す意味は、「しか」ではそのままは表せません。
最後の問題だけできなかった。(一つできなかった)
最後の問題しかできなかった。(一つできた)
cf.最後の問題しかできないのはなかった。(一つできなかった)
すでに見たように、「だけ」は形容詞文や名詞文にも使えますし、「だ・です」の前でも使え、用法の広がりが「しか」に比べてずっと広いことが特徴です。
「だけ」は述語を受けることもできますが、それは複文のところで扱います。
「だけ」に近い意味の「Nのみ」という形があり、書きことばで使われます。
この土地でのみ行われる 残るは彼のみだ 神のみぞ知る
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